<2004.10.13>
 
神様ラリー・ニクソン来日
ラパラとの契約
2003年12月末。ラパラと神様ラリー・ニクソンが契約したという話を聞いたとき、僕の興奮は治まらなかった。デイビッド・フリッツとのコラボレートで誕生したバルサクランク・DTの例もあることから間違いなく、ラリーとのコラボレートルアーも発売されるではないか!?という期待からだ。ラリーの要望がギッシリと組み込まれたスーパールアーの登場と、そして、いつか彼に会える日が来るのではないか?という少年のような淡い期待と妄想が僕の頭の中を渦巻いていた。
X-RAP発表&来日決定
その期待と妄想がこんなに早く実現するとは、僕自身信じれなかったことである。
ラパラの創業者ラウリ・ラパラの直系であり、現ルアー開発最高責任者であるヤルモ・ラパラと神様ラリー・ニクソンとのコラボレートから誕生した究極のジャークベイト(従来のジャークベイトとはジャークの切れ味が全く違うことからスラッシュベイトと呼ぶ)X-RAPを日本で発表して間もなく、ラリーの来日が決定したのである。今年は僕にとってはスゴイ年だ! こんなこと、もう一生ないのではないだろうか?
神様に会えた日
2004年10月2日。ラリーとの夕食会の為に京都の某所に約束の30分前に到着。彼の到着を待つ間、「なんつっても全米のトッププロだもんな〜、コワい人だったらどうしよう....」「拙い英語が通じるかな〜」等と緊張と、日本人特有の心配をしていた。少なからずも僕以外の数人も同じ緊張をしていただろう...。その場の空気はピーンと張りつめていた。
しかし、そんな些細な心配はラリーの笑顔とスケールの大きさに吹き飛ばされた。神様の到着だ。9月30日に来日して直ぐに大阪から京都へ移動、そして今日まで山口県で釣りをしていたとは思えないくらいのその笑顔は、その場の空気を一気に変えた。そして挨拶をしビールで乾杯した後、その場にいた人達は皆少年に戻って、目の前のヒーローへ質問攻め。僕も勿論同じだ。そして僕は彼のストラトカードをもらった。ここで質問に答えてくれた一部を紹介しよう。(質問に答えながらも「俺ハシは苦手なんだよ〜」とおどけていた。何て気さくなイイ人だろ〜!)
Q1.12年前の2月、琵琶湖にて何故あのエリアを選んだのですか?また何故ロングビルを選んだのですか?
A1.プリスポーンのバスが居そうなグラスエリア(ウィードエリア)を選んだんだ。ロングビルを選んだのは水温だよ。
Q2.でかいバスを釣るにはどうしたら良いのですか?
A2.でかいヤツはヘビーカバーにいることが多い。キャスティング能力が非常に重要なファクターだよ。
Q3.釣りを始めたのは何時頃からですか?
A3.7歳の時だね。父親の影響で。プロになったのは1977年からだけど、その前の3年間、ガイドでは年間300日釣りをしてたね。(めっちゃハード!)
Q4.ラパラのルアーで好きなTOP3は何ですか?
A4.X-RAP, シャッドラップ7cm, DT4&6。最も多用するよ。(あっ! DT4はまだ発表してませんよダンナー)
ラリーから貰ったストラトス・カード
プロ野球カードでアタリを引いた感じ!メッチャカッコイイです。
カードには今までの輝かしい戦績だけでなく、身長から体重、奥様や家族の名前まで明記してあります。
釣りを始めたきっかけも父親の影響だということなので、本当にアメリカではバス釣りは文化として成り立っているんだなと考えさせられます。
10月4日:琵琶湖
今年は異常に台風が多い。先週の台風の影響は、運悪く非常に悪い方へ作用してしまった。
本日も水の濁りは昨日より若干マシという程度。午前7時過ぎ出艇。赤野井へ向かった庄司プロの同船した赤いストラトスを我々取材艇は追った。庄司プロと神様を信じながらも「この状況で魚が釣れるのかな.....」という不安を感じながら。
流石は神様ラリー・ニクソン
エリアに着いてからはラリーがエレキを踏んで移動していく。ウィードパッチの中をエッジを丹念に探っていく二人を静かに追うこと1時間、突然ラリーのロッドがしなった! 素人からは大げさともとれるような鋭いフッキングであるが、これぐらいは本場の常識である。サイズは40cm強ぐらいに思われたが、腹がパンパンにふくれた元気なグッドバス! 湧き上がる喝采。僕らは神様の神業を実際に今、目にしている!!
そして30分後には約50cmのバスをさらに1匹追加した。
間近でラリーの神技を見る
今日のタフな琵琶湖はかなり強敵である。エリアの移動を繰り返すがなかなか次が続かない。時間だけが無情に過ぎていく。結局、2匹釣った最初のエリアに戻ってきた。そして何と僕はラリー艇に一緒に乗せてもらうことができた! 朝イチの状況とは変わり、多くのブルーギルが浮いているのに気づいたラリーはハードルアーをハイピッチで投げ始めた。DT6, X-RAP, SP7とローテンションしていく。
DT6そしてX-RAPともにロングキャストが可能なルアーである。しかしラリーはせいぜい10mくらいのショートキャストを繰り返していく。だだし、そのキャストはやはり驚異的なコントロールだ。ウィードパッチをなめるように丹念にトレースしている。凄いの一言である。あと、これは想像であるが、赤野井のウィードエリアは例年よりも密集度が少ないとはいえ、やはりウィードが絡みやすい状況にあることと、タフな状況なのでリアクションを狙ったのではないかと考えると正確なショートキャストに合点がいく。実際ラリーはX-RAPではCLNカラーを選び、DT6ではFTカラーを探していた(写真はPだが)。神技に見とれている間に午前11時30分のタイムアップ。ラリーはまだやりたいという表情だったが、東京では彼のファンが待っている。
神様のタックルボックス
ラリー艇に同船させてもらった際に彼のタックルボックスを見せてもらった。トップ用にはスキッターウォーク8cm, スキッターポップ7cm。クランク(バイブも含む)はDT6, サブワート7cm, ウィグルワート5cm, ディープワート5cm, ラトリンラップ7cm(ウィグルワートは岩場で使うと効果的とラリーは語った)。そしてミノーではフローティングジョイント13cm, ハスキージャーク8cm, エックスラップが入っていた。実際にラリーが使うところを見てみたいものばかりだ。いずれのアイテムにしてもカラーは派手なものが多いという印象で、特にX-RAPにおいてはCLNカラーが殆どあった。「X-RAPは年中釣れるが、このルアーが真価を発揮するのは3月から5月だよ。」という彼の言葉通り、まだ水温が上がりきっていない早春のプリンスポーンから晩春のアフターのバスを狙うリアクションベイトと考えて間違いないだろう。
しかし不思議なのはスーパーシャッドラップはフローティングではなく全てシンキングが入っていることである。日本においてビッグベイト=水面(もしくは水面直下)を狙うものという常識はアメリカでは通用しないのかも知れない。もしくはディープを攻略する新しいメソッドがあり、秘密兵器なのかも知れない。とにかく見ているだけでワクワクするボックスの宝箱である。
正真正銘のプロフェッショナル
湖からあがってきたラリーを待ち受けていたのは、更なる取材とインタビューであった。彼はどんな質問にも非常に真摯な態度で答えていた。残念ながら僕は離れたところにいたのでインタビュー内容は聞き取れなかったが、前日の下野プロと今江プロとの釣りも含めて後日、各メディアで紹介されると思うので、そちらを楽しみにして欲しい。僕も楽しみである。
インタビューが終了した後は移動時間が来るまで、常にファンサービス(疲れていない筈はないのだが)。数えきれないサインを全て直筆で行っていた。そして僕も申し訳ないながらラパラT-シャツにサインをしてもらった。その際、彼は僕にこうメッセージを残した。
(勿論英語なのだが、日本語に訳すと次の感じで)「ごめんな〜、次に来た時は絶対ラパラで釣るからな〜。」僕はショックを受けた。そして恥ずかしかった。神様に気を使わせるなどとはもってのほかである。スケジュールも釣りもハードな中、彼はプロに徹していたのに、僕は舞い上がって仕事のプロに徹しきれてなかったのかもしれない。次に会う日がいつになるかは分からないが、それまでに神様に認めてもらえる仕事のプロになろうと思った。