タチウオ


タチウオとは

tachiuo_01.jpg漢字では「太刀魚」もしくは「立魚」と書く回遊系の魚がタチウオです。
最大で2m、5kgオーバー。
シルバーボディで頭が尖り、鋭い歯を持ち、ヒレは背ビレ、胸ビレ、尾ビレのみで腹側にはヒレが存在しません。
体は平べったく、全身にウロコがありません。
ウロコの代わりにグアニン質の層があり、全身が銀色に見える魚です。


分布範囲

世界中の熱帯、温帯に生息し、沿岸域の表層から水深400mの泥底周辺で群れを作った生活をしています。
タチウオは餌を求めて河口の汽水域にまで現れます。

行動

tachiuo_02.jpg諸説ありますが、捕食意欲が高まり岸沿いの表層付近に集まるのは日の出、日没前後が一般的です。
水中では群れで頭を上に向けて立っている状態の時と、横姿勢で泳ぎ回っている時があります。
捕食は噛み付いて飲み込むスタイルです。
タチウオの歯は非常に鋭いので噛まれたりしないように用心してください。



釣り方

tachiuo_03.jpg釣りの対象魚として非常に人気の高い魚です。
餌では、キビナゴやイワシ、サンマ、どじょう等を使用してウキ釣り、テンヤ釣り、流し込みの釣りで楽しまれているようです。
岸、船両方から狙える大人気のターゲットです。

ルアーで狙う場合も、岸から、船から両方で楽しめます。
ここでは、タチウオゲームが盛んな大阪湾や西日本での楽しみ方を紹介してみましょう。

岸から

tachiuo_04.jpg大阪湾や、大分の別府湾では日中でも捕食回遊で岸際の水深2~15mといった浅い場所に現れることもありますが、基本は、夕暮れ時から夜間にかけてと、夜明け前後で各自の都合のよい時間に集中して狙う方々が多いです。

特に、日の出、日没前後は岸際や、時には足元で捕食を行うことが多いので、必要以上に遠投しなくても釣ることが可能です。
ロッドの長さは、8~9ft(2.4~2.7m)程度。リールは中型サイズで、PEラインの1~1.5号が150~200m巻けるサイズだとバランスがよく疲れにくく、操作性に長けています。
ロッドの強さは、エギやシーバスのML(ミディアムライト)クラスで、10~30gまでの重さのルアーを投げて、しゃくる事が出来ればちょうど良いバランスとなります。


tachiuo_05.jpgラインは、ラピノヴァエックスマルチゲームや、同マルチカラーの150~200mを使用します。
遠投の必要性が高い、急激に深くなっている、流れが非常に早い、根がかりリスクが高い場所では、200mを巻いたほうが無難です。
これに電車結びやノーネームノットで1~1.5mのリーダーをセットします。
ラピノヴァフロロカーボンショックリーダーの22~30lbであれば、指5本サイズのタチウオでも抜きあげることが可能です。
あとは、釣れるタチウオのサイズによって、小さければ細く、大きく重ければ太く調整してください。
ただし、タチウオ自体が小さくても、タチウオの歯の鋭さは変わりませんので、リーダーは極力細くしないほうが無難です。

揃えたいルアーは、多数あります。
タチウオは、日ごと、時間ごと、パターンごとに反応するルアータイプやアクション、サイズ、カラーがめまぐるしく変化する魚です。
タチウオを初めて狙ってみるとか、初めて釣りにチャレンジするといった方々には、投げやすさ、操作のしやすさ、底とりのしやすさを優先して揃えてみると良いでしょう。

その代表格が、メタル系のルアーです。
比重が高いので、空気抵抗、キャスト抵抗が少ないため軽くロッドを振ってもかなりの飛距離が出ますし、底に沈んだ時の衝撃が大きいため底取りが簡単です。

tachiuo_08.jpg次に揃えたいのが、投げやすく、少しゆっくり沈むタイプのルアーです。
タチウオをはじめとして、ルアーが左右や上下に急速に方向を変えてすっ飛んでいくアクションをダートと言っていますが、このダートに非常に反応が良い魚を狙う場合に愛用されているのがGCF(五目カフェ)なのです。
早くダートし、早く沈められるメタルルアーと、早くダートし、少しゆっくり沈んでくれるGCFを交互に使い分けることで、その日、その瞬間のアタリルアーを見つけていきましょう。


tachiuo_09.jpg時には、決まった一定レンジで連発が楽しめるのもタチウオゲームです。
投げて巻くだけで釣れる場合は、その釣れる深さを何度も通したいところです。
そういう場合は、シンキングミノーの出番です。
タチウオを狙うタックルで投げやすい7~17センチで、10~28グラム程度のミノーを投げて巻くだけ。
これで、連発を楽しんでみてください。
イワシや、キビナゴといったタチウオの餌になる小魚が海面近くで逃げ回っていればチャンス到来です。

あとは、ジグヘッドとワームの組み合わせ。
14~28g程度の重さになるセットで狙ってみてください。
中には、ワームと同じゴム素材製で振動による魚の捕食スィッチを入れられるバイブレーションもあります。
いろんなルアーを揃えることで、自分だけ釣れちゃった、といったこともありますのでお試しくださいね。

装備品

tachiuo_10.jpg1m近い長さの魚ですから少し大きめのクーラーに氷を入れて出かけましょう。
ビニール袋だと鋭い歯で穴が開いてしまいます。


tachiuo_11.jpg同じ時期に太目のサワラやニベも釣れる可能性が高いので余裕を持ってサイズがお勧めです。



tachiuo_14.jpg

tachiuo_13.jpg

tachiuo_12.jpg


夜の釣りとなりますし、時には足場に波が被ることもあります。
視界確保のためにヘッドライト、濡れ・転倒防止のための長靴はお忘れなく。
サンダル等、裸足に近い履物は、タチウオの鋭い歯に触れると怪我をしますのでお勧めできません。

tachiuo_15.jpg

tachiuo_16.jpg

tachiuo_17.jpg


歯が鋭い魚ですから、タチウオの口からルアーをはずす場合も注意しましょう。
まさかの噛み付きに備えて、グローブ、フィッシュホルダー、長めのプライヤーでフックをはずして、クーラーに収納してくださいね。

tachiuo_18.jpg

tachiuo_19.jpg

スペアタックルも必要な場合があります。
まさかのロッド折損や、超巨大タチウオの連発となった場合等、ワンランク強めのタックルを用意していくと便利です。
その際、ルアーを結んですぐに使えるようにしておくことが多いのですが、風に吹かれてルアーがビュンビュン、ブラブラしてしまい危険なことにつながる場面があります。

tachiuo_20.jpg


tachiuo_21.jpg

それを防止するためにルアーラップで包んでおいて必要な時に、即座に対応できるようにしておきたいですね。
ルアーがブラブラしていると、ラインがロッドの先に絡んで、いざという時にほどくのに手間がかかったり、場合によっては知らずにロッドの近くを通った人にフックが刺さって大事故になりかねません。
船の上だけでなく、狭い釣り場では安全対策をお忘れなく。

安全対策といえば、キャップや偏光もしくはサングラス、ナイトアイグラスもお勧めです。
フックのついたルアーが水面から飛び出して、自分に向かって飛んでくるケースも釣りをしていれば経験された方も多いのでは。
まさかの時に、なにかしらのカバーがあれば急所を守ることが可能です。

それでは、実際の釣り方を解説していきましょう。

シーズン

南北に長い日本列島で、関東以西で成立することが多いタチウオです。
それぞれのエリアで釣り方に応じたシーズンがあると思われますので、地元の釣具店情報をマメにチェックしてみてください。

例えば、大阪湾なら春と秋の二大ピークで岸釣りが可能となります。
特にお盆以降、11月頃までの最盛期には毎夜多数の釣り人で釣り場が埋め尽くされるほどです。
釣り場としては釣り解放区をはじめ、釣り公園、渡船利用での沖堤防、釣り可能な漁港や港湾となります。
大雨増水で淡水の影響を受けやすいフィールドは、淡水を嫌って大型のタチウオがいったん姿を消す場合もありますし、逆にベイトが多数集まることによってタチウオの群れが大挙押し寄せる場合もあります。

伊勢湾、瀬戸内海、豊後水道、東シナ海、沖縄でもタチウオ釣りは盛んです。
各地のシーズンをご確認の上、お出かけください。

時間帯

夕暮れ時、日没後夜間、夜明け前後で、各自の都合のよい時間帯にお出かけください。
大阪湾では、仕事帰りにちょっと出かけて・・・なノリの釣り人が多いため、夕暮れ時の釣果情報が多く出回っています。
沖堤防は、比較的、早い時間帯から釣れ始めることが多いので14:00~16:00には渡船で渡って、準備しておきたいですね。
日によって釣りはじまる時間のズレがありますが、早い日には14:00、平均的には日没1時間前には沖堤防で第一尾が釣れます。
一尾釣れると、沖堤防に渡った釣り人の集中力が高まりますので、あちこちで釣れ始めます。
これが日没後、1時間まで続き、次第にアタリが単発になっていって、最終便のお迎えという感じで過ごすことになります。

沖堤防ではなく、岸からの場合は、沖堤防より若干遅れたタイミングで釣れ始めることが多いので、日没前に釣り場に居れば、充分楽しむことが出来るでしょう。

誘い方

日没に近付くに従って近距離、スローな誘いで釣れるようになります。
早い時間は、沖から岸際に近付いてくるイメージで遠投して、底付近を中心に探っていきます。
ここでは、遠投、底付近をキビキビ誘えるメタル系を投入してください。

15:00

tachiuo_22.jpg早い日だと、15:00を回った頃に第一陣が届く距離に現れることがあります。
40g前後のメタルジグをフルキャスト。
ラインを弛ませすぎないで着底させて、すぐさまアクション開始。

ロッドを上方向に振り上げて、メタルジグを上昇させます。
着底後、3回は大きく強く振り上げて底から一気に引き離しましょう。
3回目の振り上げを終えたら、ラインの弛みだけ巻き取って、ロッドを空に向けた状態でストップ。

tachiuo_23.jpg一瞬、もしくは長くても2~3秒止めておいてメタルジグがダートしたあと、水抵抗を受け震えながら斜め下に沈んでいきます。
ここで、ガツンと引き込まれれば、フッキングしてください。

反応が無ければ、ここから1ピッチジャーク。
ロッドを一回振り上げて、リールのハンドルを1~2回転。

tachiuo_24.jpgこれをテンポ良く3回繰り返すことを1セットして、2~3セット繰り返し、底から海面に向かって探っていきます。
3セットが終われば、リールのベイルを開いて、フリーフォール。
一気に底まで沈めこみます。

あとは、ここまでの動作を何度も繰り返し、足元まで探っていきましょう。

ここまでの釣り方が縦の釣りとなります。
メタルジグを沈めて上昇させてを繰り返してアタリを捕らえていくのです。
これで反応が無ければ、今度は横の釣りを試してみましょう。
ロッドを横に倒して、ゆっくりとリールのハンドルを巻きます。
10回巻き取って、底まで沈めるを繰り返して、底付近を探り終えれば、今度は、通す深さを上に設定していきます。
これは着水して20秒で底に付く場合は、次は15秒、その次は10秒といった具合にスタートする深さを調整します。
この場合は、底まで沈めずに通している深さから2~3秒だけ時々沈めてから再び巻き始めることで同じ場所ばかりを通すことがなくなります。

16:30

日没が18:00頃だと、この時間からが一般的な釣れ始める時間となります。
このタイミングでは遠投の必要が無いことが多くなり、一尾釣れると、周りでも次々と釣れるようになってきます。

早く沈むルアーで無いと反応が悪い日もあります。
その場合は、ここまでのタックルで、遠投せずに、軽く投げ込んで底から表層付近へと探っていきます。
40~60gのメタルジグがダート後にヒラヒラしながら沈んでいく最中にガツンとバイトしてきます。
アタリに気付かない場合でも、底まで沈むのに10秒かかるはずが、3秒で沈むのが止まり、ラインが弛むことがあります。
これは、沈んでいくルアーにタチウオが食いついた瞬間なのです。
ラインの弛みをとってすぐにフッキングを行いましょう。

17:30

tachiuo_25.jpg太陽が山陰に沈み、いよいよ日没直前状態です。
釣れる場合は、足元から20~30m沖で釣れるので、飛距離を抑えるためRFJSNRに交換します。
前者が34g、後者が24g。
飛距離、沈む速度で使い分けましょう。
軽く投げ、最初は底まで一気に沈めます。
着底後、早巻き5~10回。

tachiuo_26.jpg巻き終えたら、ロッドティップを軽く弾く感じで二回しゃくってステイ。
この瞬間に追いかけてきたタチウオがガブリと食いつくことが多いです。

これを表層に浮き上がるまで繰り返し、タチウオの居る深さを探していきましょう。
表層まで浮き上がれば、一気に底まで沈めるか、5秒沈めて、巻き、浮き上がれば、10秒沈めて、巻きと通すコースを調整していきます。

tachiuo_27.jpg次に、ダートの誘いで様子を見ましょう。
このタイミングでは、日没に向かって、どんどん光量が変化していきますので、釣れない誘い方を3回以上繰り返さないことが大切です。

着水と同時に、ラインの弛みを巻き取ります。もしくは、5秒ほど沈めて同様に巻き取ります。
ラインが張ったら、ロッドを大きくゆったりと上下にしゃくります。
1~3回しゃくってステイ、テンションフォール。
これの繰り返しでアタリが出るのを待ちましょう。

この場合、ステイ、テンションフォールの最中にバイトしてきます。
釣り人は、次のしゃくりの際に、何か重くなったと感じるほどロッドに負荷がかかったことに気付きフッキングするといった流れになります。
フォールの最中でもラインが弛み過ぎていなければタチウオが噛み付いたり、絡みついた感じが伝わってきますので、引き込まれたと感じたら即座にフッキングを行ってください。

このパターンで反応が悪くなった場合は、

着水直後から底に沈むまで何もせずアタリが出るのを待つ

着水直後からスローただ巻き10回後、一瞬沈めて再び巻き始める

といった変化を入れて反応を伺ってください。
さらに、ルアーのカラーをグロー(夜光)に交換したり、たっぷりと蓄光してから投げたりしてみてください。

18:00過ぎ・日没

tachiuo_28.jpg日没直前で五目カフェに交換してみるのも効果ありです。
日によって、ゆったりダートとフォールの組み合わせのほうが釣れる場合もあります。
操作方法はアイスジグ系と同じですが、ゆっくりと動かし、長く沈めるを意識して操作してください。
早い時間からゆっくりの誘いを行うとルアーを見切られて次第にアタリが小さくなってくる傾向がありますので、暗くなったら五目カフェでゆっくりと誘うといったイメージでルアーローテーションしてください。

18:30〜19:10

tachiuo_29.jpg完全に日が沈んでもパターンは様々です。
表層直下をシンキングミノーでチェック。
最初は早巻きとステイ。
次第にゆっくり巻き。
表層で反応が悪ければ、メタルバイブ、ゴムバイブを底まで沈めて巻き上げ。
もしくは着水と同時に何もせず底まで沈めて、巻き上げを試してみてください。

その後はジグヘッドワームでゆったりダートとフォールで探っていきましょう。
日没後は発光体をワームのボディに刺しこんでアピール力をアップさせることもヒット率アップにつながります。

20:00

完全に夜のパターンに変わっていきます。
潮通しのよいフィールドであれば、小魚や小魚を追いかけてきたタチウオの群れが何度か現れます。
小魚がざわついたり、小さくてもアタリが出た時は集中して誘っていきましょう。

05:00

空が白くなってくる時間帯前から、海の中は朝を迎え、魚が朝の準備を始めます。
夜が明けると沖の深場にタチウオが戻っていくイメージで、夜明け直後までの短期勝負。
あらゆる誘い方を、早めに切り替えながら試していってアタリパターンを見つけてください。

以上、一般的なパターンと攻略方法をご案内さしあげました。
これをベースにいろんな誘いにチャレンジしてみてください。